問題7 ~ 物体の運動 (糸の重さ有り)




物体の運動 (糸の重さ有り)



問題

質量 $m$ の伸びない糸の下端に質量 $M$ の物体を結び鉛直に吊るした。
この糸の上端に一定の力 $F$ を鉛直上向きに作用させた。以下の問に答えよ。

(1) 糸の運動方程式及び物体の運動方程式を記述せよ。

(2) 運動方程式から物体の加速度 $a$ ならびに物体と糸との間に作用し合う力の大きさ $T$ を求めよ。

(早大理工 類)

解答

運動方程式を立てる

まずは軸を設定し、

続いて作用する力を書く

糸と物体は一体となって加速度 $a$ で運動しているとすると
運動方程式は

糸 : $ma=F – mg -T$
物体: $Ma =T -Mg$

となる。

問に答える

(2) 運動方程式の2式の和を取ると

\begin{eqnarray*}
(m + M) a = F-mg -Mg
\end{eqnarray*}

よって、加速度 $a$ は

\begin{eqnarray*}
a &=& \frac{F-(m +M) g }{m+M} \\
\\
&=& \frac{F}{m+M} – g
\end{eqnarray*}

となり、糸との間に作用する力 $T$ は

\begin{eqnarray*}
T &=& M\left( \frac{F}{m+M} – g \right) +Mg \\
\\
&=&\frac{MF}{m+M} – Mg +Mg \\
\\
&=&\frac{MF}{m+M}
\end{eqnarray*}

となる。

コメント

・糸が受ける力は糸の重力、接続部分から受ける力、引く力がある。
・糸の重力は重心と考えて良い。
・物体が受ける力の探し方は、場の力$\to$接触力$\to$慣性力の順となる。
・糸が物体から受ける力は接続部分からの力であり、$Mg$では無いことに注意する。